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民法改正案国会提出へ、「約款」関連規定創設で企業の対応は?

 制定から110年で初の大改正として注目を集める民法債権法の見直しが大詰めを迎えている。現在、要綱案の最終的な取りまとめに向けた検討が行われており、この春にも改正法案が閣議決定され、通常国会に提出される見込みとなっている。

 見直しの議論の中で企業サイドから注目を集めてきたのが、「約款」に関する規定の新設だ。

 約款とは、多数の取引先や顧客と画一的に同一の内容の契約を締結するために、事業者があらかじめ一方的に定めておく定型的な契約条項を指す。民法が制定された110年前には約款を用いることが一般的ではなかったため、現行民法には約款に関する規定がない。今回の改正では、民法に約款に関する規定を盛り込むことによって、現代で広く用いられている約款が「契約」の内容になるという根拠を法律上示すことに主眼がある。

 新設される規定では、次の2つのいずれかを充たせば「民法上の約款」として認められることが明記される。

(1)約款を契約の内容とする旨の合意をすること
(2)約款を用いる者があらかじめ約款を契約の内容とする旨を表示していたこと

 これまで、例えばBtoC取引において約款を用いる場合には、事業者が自社のサイト上などに「約款に同意しますか」といったチェックボックスを用意し、消費者にチェックを入れてもらうといった実務が行われてきた。このような実務は、民法改正後・・・

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