武田公認会計士事務所 代表
公認会計士 武田雄治
巨額不正会計事件が起こるたびに、コーポレート・ガバナンスと会計監査が俎上にのぼります。そして、コーポレート・ガバナンスや会計監査を「厳格化」する方向に議論が進みます。しかし、社外取締役を増やせば不正が減るのでしょうか? 監査手続を増やせば不正が減るのでしょうか? そうは思えません。これらの「厳格化」によっても不正が減らないことは、歴史が証明しています。
もちろん、「厳格化」には一定の効果や抑止力はあると思います。しかし、取締役への監視や、取締役の責任を強化しただけでは、単にガバナンスが形式化されて終わってしまうおそれもあります。また、会計監査の厳格化は、監査手続の形式化を招き、会計監査の質の低下(形骸化)につながるおそれもあります。
このような不正会計事件を「他山の石」とするのであれば、まず「経理部の在り方」を見直すべきです。経理部で、不正や誤謬を防ぐ「仕組み」を構築しなければなりません。
最低限やるべきことは、・・・
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