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監査の“エアポケット”への対処

 グループ経営が当たり前になる中、子会社の不祥事防止は大きな経営課題となっている。それなりの数の子会社を持つ上場会社グループでは、子会社も対象に、次の3つの監査が行われているのが通常だろう。

①公認会計士(監査法人)による財務諸表監査と内部統制報告書監査
内部監査部門による内部監査(業務監査・会計監査・内部統制監査)
③監査役による監査

内部統制報告書監査 : 財務報告に係る内部統制報告制度(いわゆるJ-SOX制度)に基づき上場会社が作成する内部統制報告書に対して、公認会計士が行う監査。
内部監査 : 監査対象部署から独立した内部監査室などの社内組織・担当者により実施される監査。社長などの経営陣が直轄し、監査対象部署の実際の業務があらかじめ定めておいた業務フロー通りに行われているかどうか、会計記録が事実に基づき適切に記録されているかなどを監査する。
業務監査 : 監査対象部署の実際の業務があらかじめ定めておいた業務フロー通りに行われているかどうかをチェックするための監査。

 これら3つの監査は「三様監査」と呼ばれ、一見すると、これにより企業グループを網羅的にチェックできるように見える。しかし、実際にはそれぞれの監査が十分に行き届かず、“エアポケット”となる領域が生じることは珍しくない。

 例えば、・・・

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