子会社の管理に頭を悩ませる上場会社は多い。子会社で起きた不正について親会社に批判が集まることも少なくないだけに、親会社の経営陣は子会社の内部統制に関心を持つ必要があることは言うまでもない。今回はある上場会社の子会社で発見された“内部統制の欠陥”が招いた横領について紹介しよう。
横領には現金のやり取りが絡むことが多い。そこで当該上場会社では子会社に小口現金は保有させず、「立替払い・後日精算(振込み)」を原則としていた。また、当該子会社の経理責任者は公認会計士の有資格者であり、売掛金の残高確認、棚卸資産及び固定資産の実地棚卸の際には部下の経理課員を現場に立ち会わせるなどの内部統制も積極的に導入していた。
このように当該子会社の内部統制は網羅的に構築されていると思われたが、意外なところに盲点があった。それは、・・・
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