印刷する 印刷する

横領を発見できなかった責任の転嫁認められず

複雑なスキームによる粉飾決算など企業不祥事が高度化・複雑化する一方、いまだに企業不祥事の相当部分を占めるのが、従業員による横領だ。横領が発覚した場合、取締役・監査役は、従業員の着服行為が疑われる状況があるにもかかわらずそれを放置していたり、従業員の着服行為が発覚した後の対応が不十分だったりすれば、善管注意義務違反に問われる可能性もある。仮に善管注意義務違反にまでは至らないとしても、回収不能額が多額に上る場合などは、降格、減給等の経営責任に問われることも十分考えられる(ケーススタディ「【不祥事】従業員が会社の金を着服していた」の「発覚後の会社の対応が不十分なら、善管注意義務違反も」参照)。

もっとも、横領はえてして「まさかあの人が」と評されるような“想定外”の人物によって行われる。このため、社内のチェックだけでは見過ごされてしまうケースも多く、税務署や監査法人などの外部の第三者による調査によって発覚することも珍しくない。・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合は
ログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから