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“一人経理” 子会社のリスクとその防止策

規模の小さい会社では、経理担当者が一人で経理・財務を担う、いわゆる“一人経理”の状態になることも珍しくない。一人経理には様々な問題(下表参照)があることから決して勧められるものではないにせよ、人件費抑制や人材不足のため現実問題としてやむを得ない面もあろう。一人経理はたとえ上場会社のグループ会社であっても、会社の規模によってはしばしば見受けられる。経理、財務だけでなく、総務、人事の業務をも一人の担当者が担っているケースも少なくない。

一人経理の主な問題点
引継ぎ 業務内容が多岐にわたることから、退職時の引継ぎが難しい。
働き方 業務量が多いことから、残業が恒常的となる。
休み方 有給を取得しづらくなる。
誤謬 上長や同僚が業務をチェックする機会がないため、ミスが発覚しづらい。
不正 経理担当者が財務(振込業務)も担う場合には、その者が会社の資金に手を付けた(横領した)としても、会計処理を工夫することで横領を発覚しにくくさせることが可能。

このように一人経理には様々な問題があるが、特に気を付けなければならないのが「不正」だ。一人経理の会社における経理担当者の不正は発覚しづらく、しかも長期間にわたりやすいため、結果として横領額が巨額に上るケースが少なくない。内部統制上は、少なくとも経理と財務の担当を分け、それぞれが互いに牽制を効かせることで、横領しづらいような仕組みにしなければならないとされている。

まさにこの懸念が現実のものとなり、子会社の一人経理が7億円を横領していたことが発覚したのが東証二部に上場する・・・

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