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IFRS導入がROEに与える影響

 金融庁が4月15日に公表した「IFRS適用レポート」によると、IFRSの任意適用企業は2015年3月31日時点で75社となっているが、その多くが、「海外子会社等が多いことから、経営管理に役立つ」ことをIFRS適用に踏み切った理由に挙げているという。

 一方、このところ経営管理指標として注目を集めているのがROE(自己資本利益率)だ。日立や三菱重工が10%を超えるROEを経営目標とするなど、ROEを経営の重要指標とする企業は急増している。ROEを巡る最近の流れをおさらいすると、昨年1月にはROEを銘柄選定の主要指標に位置付ける新株価指数「JPX日経インデックス400」が登場(2014年6月11日のニュース「JPX日経インデックス400に選定されると株価は上がるか?」参照)、これをGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国内株式の運用指標の1つとして採用している。また、政府の新成長戦略では、日本企業の「稼ぐ力」を高めるには、グローバル水準のROEの達成などを1つの目安とすることが提言され、さらに、昨年8月に公表された伊藤レポートでも、ROEを現場の目標に取り込むことで高いモチベーションを引き出し、中長期的にROE向上を目指す「日本型ROE経営」が打ち出されている。

JPX日経インデックス400 : 資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される新しい株価指数。3年平均ROE(自己資本利益率)や独立社外取締役の人数などを加味して構成銘柄が決定される。

 ここで気になるのが、IFRSとROEの関係だ。つまり、IFRSを導入するとROEは上がるのか、あるいは下がるのかという点である。

 周知のとおり・・・

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