今年(2015年)4月23日に経済産業省が公表した伊藤レポートの第二弾「対話先進国に向けた企業情報開示と株主総会プロセス」では、モジュール型開示システム(投資家にとって必要な情報を「モジュール(まとまった構成要素)」として特定し、それを各開示制度に当てはめていくという考え方)により、3つの制度開示(金商法開示・会社法開示・証券取引所開示)を一元化する方向性が打ち出されている(資料の115ページ参照)。
企業の間では、開示負担の軽減を期待する声がある一方、その実現性を疑問視する声もあるが、実はスチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードの“本家”英国では、四半期開示を取りやめる企業が相次いでいる。これは、同国で2014年11月に四半期開示ルールが廃止されたことを受けたもの。投資家保護という大義名分の下、四半期開示はグローバルスタンダードとなってきたが、EUは企業の事務負担や企業を“短期志向”に走らせかねないという四半期開示の弊害を踏まえ、2013年11月に四半期開示ルールを廃止することを決め、EU各国に対して2年以内にこれを実施するよう求めていた。
もっとも、企業が自主的に四半期開示を行うこと自体が禁止されたわけではない。このため、英国では・・・
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