政府は「女性の活躍」を重要政策の1つに打ち出し、2020年までに「指導的地位(課長級以上)」に占める女性の割合30%程度にすることを目標にしているが(2015年2月20日のニュース「女性の登用、日本の現在地」参照)、当該割合とともに「活躍」を測る指標が給与額だ。OECDの調査(2014年)によると、日本における女性の賃金は男性の賃金よりも26.6%低いという結果が出ている。OECDに加盟する主要国の平均格差15.5%であり、日本はこれより10%以上も悪い。ちなみに、主要国のうち男女の給与較差が最も大きかったのは韓国の36.6%、逆に最も小さかったのはニュージーランドの5.6%であり、これにベルギー(6.4%)、スペイン(8.7%)、イタリア(11.1%)、フランス(14.1%)が続いた。
男女の賃金格差の問題は、日本がコーポレートガバナンス改革の手本とする英国にも存在している。英国は今月(2015年7月)14日、2015年中の実現を目指してきた「FTSE100企業の取締役会に占める女性比率25%」という目標を前倒し達成するなど、“女性活用先進国”のイメージが強いが、その英国でも、上記OECDの調査による男女の賃金格差は17.5%となっている(米国は17.9%)。
FTSE100 : ロンドン証券取引所に上場する銘柄のうち時価総額上位100銘柄による時価総額加重平均型の株価指数。
こうした中、英国政府が最近、男女間の賃金格差を解消するため、従業員250名以上の企業に対し「男女間の平均賃金格差」の公表を求める方針を打ち出し、波紋を呼んでいる。企業側からは、・・・
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