人材不足を埋めるために派遣会社を利用する企業は少なくない。企業が派遣会社との間で人数および単価にさえ合意できれば、即戦力を必要な人数分だけ迅速に派遣してもらうことが可能であり、これにより人材の“穴”をすぐに埋めることができるからだ。また、解雇が極めて困難な正社員の雇用契約と異なり、業務量の増減に応じて派遣してもらう人数を柔軟に変更できるのも、企業にとって派遣会社を利用する魅力の一つ。正社員の減少を派遣社員で補えば、人件費が固定費から変動費となり、固定費の減少を通じて損益分岐点売上高を低下させることができる。
固定費 : 正社員の固定給や減価償却費のように、売上高に対して固定的に発生する費用。
変動費 : 材料費や運賃のように、売上高に対して変動的に発生する費用。
損益分岐点売上高 : 売上高とコスト(変動費+固定費)が等しくなる売上高。固定費が少ないほど、損益分岐点売上高は低い水準になる(儲けが出やすい)。
ところが、現行の派遣労働法は企業から“使い勝手”が悪いとの評価を受けてきた。
現行派遣労働法では、・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。