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株主総会招集通知、書面希望者以外には電子的に提供へ

 多くの上場企業が株主総会の招集通知を書面(紙ベース)で提供しているが、近い将来、全面的に電子的な提供に移行することになりそうだ。

 経済産業省はこのほど「株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会(座長:尾崎安央 早稲田大学法学学術院教授)」を設置し、株主総会招集通知の提供の原則電子化などの検討に着手した(2015年11月9日に第1回研究会を開催)。これは、今年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略 改訂2015」(45ページ「イ)株主総会プロセスの見直し等」 参照)に、「株主総会集中の問題を解決し、株主の議案検討と対話の期間を諸外国並に確保するための方策」の1つとして、「招集通知関連書類や議決権行使の電子化等を通じて徹底的なプロセスの合理化が図られる環境を整備する」と明記されたことを受けたもの。要するに、招集通知を電子化することにより、株主が議案の内容を検討する時間を十分に確保できるようにしようというのが狙いであり、伊藤レポートの第二弾として今年4月にとりまとめられた「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」報告書 (84ページ参照)でも同様に、(1)招集通知関係情報の早期WEB開示、(2)招集通知関係書類の電子化、(3)議決権行使の電子化、が提言されていた。

 現行の会社法では、株主総会招集通知関係書類は、「株主の同意を得ること」を条件に電子的に提供することが可能になっている(会社法299条3項、301条2項)。原則は書面による提供になるため、実際に電子的に提供している上場企業は、全国株懇連合会が平成26年7月に行った調査によると、わずか117社に過ぎない。

 こうしたなか政府は、米国の「Notice & Access」制度を参考に、・・・

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