英国の石油会社BPのCEOに対する巨額報酬に実に59%もの株主が反対票を投じたことが大きな話題となっている。同社は原油価格下落の影響から過去最大の赤字を計上しており、株価は1年間で25%下落している。「59%」という数字は、株主が損失を被る中でCEOが1,960万ドル(約21億4000万円)を受け取ることに対する株主の反発を反映したものと言えよう。また、同社は世界全体で4千人の従業員を削減することを明らかにしており、経営者と従業員の格差拡大という問題も背景にあるものとみられる。確かにこれらの事実だけをとらえると、強欲な経営者が株主や従業員を犠牲にして私腹を肥やしているように見える。しかし、よくよく中身を分析すると、必ずしもそうとは言えないことが分かる。
同社の年次報告書によると、CEOの前年の報酬は1,939万ドルであるため、15年の報酬は21万ドル増加したことになるが、その最大の要因は、・・・
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