何百億、何千億という巨大なポートフォリオを運用する機関投資家の多くは、時価総額の小さい企業に投資することに躊躇する。なかでも、小さな金額しか投資できない時価総額50億円以下の“超小型株”に投資することは極めて難しい。なぜなら、こうした時価総額の小さい企業に投資したところで、巨大なポートフォリオの中ではほとんどパフォーマンスに影響を与えることがないうえ、流動性のリスクも存在するからだ。このため、機関投資家のポートフォリオマネージャー(ファンドマネージャー)やアナリストが、時価総額の小さい企業(特に超小型株)のリサーチをすることはほとんどない。
流動性のリスク : 株式の売買の出来高(売買数量)が十分になく、買いたいと思った時にその銘柄を売ってくれる売手がいない、あるいは売りたいと思った時にその株を買ってくれる買手がいないという状況を指す。
もっとも、こうした時価総額の小さい企業は投資対象として魅力がないのかというとそうではない。機関投資家は、たとえそこに“宝の山”があると感じていても、上述したような経済的理由から投資をしないにすぎない。また、機関投資家が興味を示さなければ、証券会社のアナリストもこうした企業をカバーすることはない。その結果、こうした企業の株価は実態と乖離して低位に放置されている可能性があり、実は投資先としては非常に魅力的であることが少なくない。
こうした小型株の恩恵を受けられるのは・・・
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