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株主総会の7月開催を検討する会社が増加傾向も、残されたボトルネック

周知のとおり、定時株主総会招集通知の株主への送付期限は株主総会開催日の2週間前までとされている(会社法299条1項)。株主としては招集通知を1日でも早く受け取ることができれば、議案の内容をじっくりと精査できるのだが、実際のところ、決算の確定、監査、招集通知の作成・チェックといった“前工程”が詰まっているため、発送期限の早期化にも限界がある。投資家からは、「招集通知の受領日から株主総会までの日数が短すぎるため、議案の中身をじっくり検討する時間がない」といった声が聞かれるところだ。こうした中で浮上したのが「株主総会の後ろ倒し」論である。

現状、3月決算会社であれば、毎年3月31日を基準日とすることを定款に規定している。そして、会社法上は、株主が議決権を行使することができるのは「基準日から3か月以内」とされている(会社法124条2項)ため、3月決算会社のうち多くの会社が株主総会を6月に開催している。もっとも、会社法上、定時株主総会は「事業年度終了後の一定の時期」に開催すればよいこととされている(会社法296条1項)。つまり、現行会社法の下でも、(定款を変更して)基準日を1か月後ろにずらせば、株主総会を7月に開催することも可能なわけだ。「企業と投資家との対話の促進につながる」などとして政府も「株主総会の後ろ倒し」の推進に積極的だが、現時点では多くの企業が「他社の様子見」といったところだろう。

基準日 : その日において株主名簿に名前が載っていれば、株主総会での議決権行使や配当を受ける権利を享受できる日のこと。定時株主総会の基準日を定款に記載しなければ、毎年、基準日を公告しなければならない。その手間を避けるために、定款に基準日を記載するのが通常である。

一方で、3月決算会社の中には「7月開催」を検討している会社も出てきている。当フォーラムの取材によると、その数は少なくとも・・・

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