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収益認識会計は単体も連結と同じ基準に 事業計画見直しも

企業会計基準委員会(ASBJ)は2017年6月を目途に「収益認識に関する包括的な会計基準」の公開草案を公表する予定だが、焦点となっているのが単体財務諸表の取扱い、すなわち、新会計基準を連結財務諸表だけに適用するのか、あるいは単体財務諸表にも適用するのかという問題だ。この点についてASBJは、連結財務諸表のみならず、単体財務諸表にも同一の基準を適用する方針であることがわかった。

「収益認識」とは、「いつ」「いくら」の売上(収益)を「どのように」計上するのかについての考え方のこと。現在の日本の会計基準では実現主義(「財またはサービスの提供」と「対価の受領」といった要件を満たしたときに収益を認識する考え方)が採用されており、「収益認識に関する包括的な会計基準」でもこの点は変わらない。ただ、日本の会計基準には実現主義で収益を認識するための詳細な要件や判断基準は定められていない。そこで企業は、法人税の計算にあたり申告調整が不要となるよう法人税法の基本通達に従って収益を認識してきたのが実態だ(この点については後述)。これに対し、国際会計基準審議会(IASB)が米国会計基準審議会(FASB)と共同で策定した収益認識の会計基準であるIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」では、収益を認識するまでのステップ(①契約の識別→②履行義務の識別→③取引価格の算定→④算定した取引価格を各履行義務に配分→⑤履行義務の充足に応じ収益を認識)を明確に定めている。今回のASBJの動きは、日本の会計基準がIFRS15号にキャッチアップするためのものと言える。

現行の日本基準に基づく収益認識の現況について具体的にみてみよう。例えば、・・・

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