GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は今週(2017年7月3日)、新しいESG指数の選定結果を公表した。これはGPIFが2016年7月22日から公募を開始していたもの。GPIFは今回選定したESG指数に基づき、当初は国内株全体の3%程度、金額にして約1兆円という規模でパッシブ運用を開始し、中長期的に投資の効果を確認しながら、将来的には他のESG指数の活用やアクティブ運用なども取り入れながらESG投資を拡大していくとしている(GPIFのESG投資の詳細はこちら)。
GPIF : 年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)。厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。
パッシブ運用 : パッシブ(「消極的」なという意味)運用とは、東証のTOPIXのような株価指数(インデックス)の値動きに連動する運用成果を目指し、株価指数を構成する銘柄をポートフォリオに組み入れるなどして、運用会社は定性的な判断を入れずに機械的に投資判断を行う運用手法であり、ファンドマネジャーが独自に銘柄を選択して運用する「アクティブ運用」とは対極の関係にある。
アクティブ運用 : 銘柄を選別し、魅力のある銘柄を購入する一方で、見劣りする銘柄を売却するなどして利益を得ようとする投資手法。個人の株式売買は基本的にアクティブ運用と言える。
ESG投資 : ESGに優れた企業に投資すること。
GPIFがESG投資に取り組む理由は、GPIFのように投資額が大きいうえに投資先が資本市場全体に幅広く分散し、かつ運用期間が長期にわたる投資家が安定したリターンを獲得するためには「サステナビリティ(持続可能性)」を重視するESG投資が必要だと考えられているからに他ならない。
今回GPIFが選定したESG指数は・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。