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「MiFID2」余波で証券会社依存のIR/SR活動は困難に

これまで、上場会社のIR/SR活動において証券会社は重要な役割を果たしてきた。上場会社のIR/SR訪問では、訪問先の機関投資家の選定からスケジュール調整まで証券会社がアレンジするケースが多く、また、IR活動の重要な目的の一つとして、証券会社に所属するセルサイドアナリストによるレポートの執筆が意識されてきた。しかし、今後はIR/SR活動における証券会社の存在感は薄れていく可能性がある。

SR : Shareholder Relations の略で、「株主向け広報」と訳される。株主を含む広く投資家全般に対する広報活動を「IR」 (Investor Relations) と呼ぶのに対し、SR活動とは、企業と株主との信頼関係を築くための活動を指す。
セルサイドアナリスト : 証券会社に所属しており(株式を売る側にいることからこう呼ばれる)、そのレポート(アナリスト・レポート)は、証券会社の顧客である個人投資家や機関投資家に提供され、投資家はこれを投資先の選定や売買のタイミングの判断に利用する。

その背景にあるのが、EU(欧州連合)の金融商品取引法であるMiFID(Markets in Financial Instruments Directive=金融商品市場指令 ※「ミフィッド」と呼ばれる)の改正版「MiFID2」の施行(2018年1月~)だ。なぜEUの法律改正が日本の上場会社のIR/SR 活動に影響を与えるのか、説明しよう。・・・

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