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有償新株予約権 「経過措置」の最新動向

現在ASBJ(企業会計基準委員会)で会計処理の変更が検討されている有償新株予約権(有償ストックオプション)を採用する300社超の上場企業にとって大きな関心事となっているのが、新たな会計処理の適用開始時期と遡及適用(経過措置) の有無だ(会計処理案を巡る議論は2017年10月4日掲載の「有償新株予約権の会計処理、反対意見に対するASBJの見解」参照)。

遡及適用 : ここでは、新たに定められた会計ルールを過去の会計処理にも遡って適用することをいう。

(2017年)5月10日に公表された公開草案(実務対応報告公開草案52号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」)では、新たな会計処理の適用時期は、当該実務対応報告の「公表日」とされたところ(公開草案第10項(1)。2017年5月12日のニュース「有償ストックオプションの会計処理案が公表、長年の議論に区切り」参照)。一方、10月5日に開催されたASBJの第108回実務対応専門委員会では、適用時期について多くの企業や公認会計士などからの質問やコメントがあったことを踏まえ(2017年9月12日のニュース「有償新株予約権の会計処理案に対し史上最多253件のコメント」参照)、一定の準備期間を設ける案(例えば「平成30年4月1日から適用する」など)が提案されたが、専門委員の間では賛否が分かれた。反対派からは、「既に内容が十分に周知されている」「あまり先の日付を設定すると、駆け込みで有償新株予約権を導入する事例が多発してしまう」といった声が聞かれた。これに対して賛成派からは、「今回多数のコメントが寄せられた事実を受け止め、丁寧な対応を行うべきである」といった意見が出ていたが、先週10月12日に開催されたASBJの親委員会の状況を踏まえると、・・・

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