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企業と機関投資家の対話の現状

スチュワートシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの導入以来、企業と機関投資家の対話の機会が急増している。ある大手機関投資家では、面談する企業数が2010年頃と比べると5~6倍にもなっているという。

対話の機会の増加は、その質や内容にも変化をもたらしている。まず質の変化という面では、企業側がスピーカーとして役員クラスを出してくるケースが増えているということが挙げられる。ある大手機関投資家の場合、およそ6割を役員が占めているという(残り4割はIRやSRの担当者)。機関投資家によっては、代表取締役をはじめとする執行の責任者あるいは社外取締役や社外監査役といった監督の責任者との面談のみを「対話(エンゲージメント)」と呼び、それ以外の者との面談は企業調査のためのミーティングと位置付けて対話とは区分しているところもあるが、いずれにせよ、シニア経営者層が直接機関投資家と顔を合わせる機会が増えているのは間違いない。

SR : Shareholder Relations の略で、「株主向け広報」と訳される。株主を含む広く投資家全般に対する広報活動を「IR」 (Investor Relations) と呼ぶのに対し、SR活動とは、企業と株主との信頼関係を築くための活動を指す。

企業側のスピーカーの変化に伴い、対話の内容も変わりつつある。これまで企業側からは短期的な決算の報告などが中心だったが、最近は・・・

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