スチュワードシップ・コードおよびコーポレートガバナンス・コード双方の要請を受け近年活発に行われるようになった企業と機関投資家の「対話」だが、限られた対話時間の中で効果的な対話を実現するためにはどこに重点を置くべきかなど、企業・機関投資家のいずれも手探りの状況と言える。
こうした中、2017年12月5日のニュース「CGコード、5つのテーマについて“ガイドライン”作成へ」でもお伝えしていたとおり、本日(2018年2月15日)開催されたスチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議で「投資家と企業の対話ガイドライン(案)」(以下、対話ガイドライン)が明らかにされた。
対話ガイドラインでは、投資家と企業が取り上げるべき対話のテーマを「経営環境の変化に対応した経営判断」「投資戦略・財務管理の方針」「CEOの選解任・取締役会の機能発揮等」「政策保有株式」「アセットオーナー」の5つに絞り込んだうえで、それぞれのテーマについて、具体的に何について議論すべきかを列挙している。随所に「~しているか」「~が行われているか」といった言い回しが出てくることからも分かるように、投資家が企業に取り組み状況などを確認すべき事項を挙げたものと言えそうだ。これは、例えば政策保有株式については、そもそも縮減することが前提となっている点(表中の赤字)からもうかがえる。
このように対話ガイドラインで具体的に議論すべき事項として列挙されている事項(下表の中心の列)を分析すると、それぞれについて企業が「対話に先立ち整備・運用しておくべきもの」浮かび上がってくる。それを当フォーラムで整理したのが下表の右側の列だ。投資家との対話に臨む企業は、自社に欠けているものがないか、事前に点検しておきたい。・・・
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