会計基準のグローバル・スタンダードであるIFRS(国際財務報告基準=International Financial Reporting Standards)を任意適用する上場企業がじわじわと増えている。日本取引所グループによると、2018年2月現在の IFRS適用済企業・適用予定企業は162社にまで増加している(日本取引所グループの「IFRS適用済・適用決定会社一覧」参照)。その背景には、適用要件の緩和、企業活動のグローバル化の進展、適用環境の整備(金融庁によるIFRSに基づく連結財務諸表・四半期連結財務諸表の開示例の改訂・公表(2016年3月・7月)等)などがある。現在政府が打ち出している成長戦略にも「IFRSの任意適用企業の拡大促進」が盛り込まれており(「未来投資戦略2017」124ページ参照)、現在は日本基準を採用している企業においても、IFRS適用の是非は一度は検討しておくべきテーマと言える。
そこで本稿では、IFRS適用の是非を検討するうえで知っておくべきIFRS適用のメリットとデメリットについて、主に経理のバックグラウンドがない役員向けに整理したい。IFRS適用のメリットとデメリットは、大きく分けると下表のとおりそれぞれ3つずつ挙げられる。・・・
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