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MD&A「資本の財源および資金の流動性」開示のベストプラクティス

周知のとおり、2018年3月31日以降に終了する事業年度の有価証券報告書から、「MD&A」の記載事項のうち、従来は任意とされていた「資本の財源及び資金の流動性に係る情報」の記載が必須とされている(下表参照。MD&Aの改正については2018年2月5日のニュース『改正後の「資本の財源及び資金の流動性」には何を書く?』、2018年4月23日のニュース『具体例で見る「MD&Aに書くべきこと」』参照)。

MD&A : 「Management’s Discussion and Analysis of Financial Condition and Results of Operations」の略で、「経営陣による財政状態および経営成績の検討と分析」と訳される。有価証券報告書では【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】欄に記載する。

<有価証券報告書「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」欄に関する新旧開示府令>
※下線部が「資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に関する改正部分
改正後 改正前
⒠ 経営成績等の状況に関して、事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとに、経営者の視点による認識及び分析・検討内容(例えば、経営成績に重要な影響を与える要因についての分析)を記載すること。また、資本の財源及び資金の流動性に係る情報についても記載すること。なお、経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等がある場合には、当該経営方針・経営戦略等又は当該指標等に照らして、経営者が経営成績等をどのように分析・検討しているかを記載するなど、具体的に、かつ、分かりやすく記載すること。 (36) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
a 届出書に記載した事業の状況、経理の状況等に関して投資者が適正な判断を行うことができるよう、提出会社の代表者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容(例えば、経営成績に重要な影響を与える要因についての分析、資本の財源及び資金の流動性に係る情報)を具体的に、かつ、分かりやすく記載すること。

3月決算の上場会社は早速、2018年6月末日までに「資本の財源や資金の流動性に係る情報」を記載した有価証券報告書を提出しているが、当フォーラムが各社の有価証券報告書をチェックしたところ、記載のボリュームは会社によって大きく異なり、また、資金量に比例しているとは限らないことが確認されている。例えば巨額の資金調達を行っている・・・

会社法上の大会社 : 資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社

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