米国では、ダウ平均採用銘柄のような大企業は取締役会議事録を含め取締役の活動内容を事細かに開示している。一方、日本企業に目を向けると、丸井やカプコンが取締役会における質疑応答の抜粋を開示しているものの、米国の大手企業のように取締役会議事録そのものを開示している事例は見当たらない(取締役会議事録の開示については2018年11月26日のニュース「取締役会議事録を開示している上場企業」参照)。
ダウ平均 : 「ダウ工業株30種」「ニューヨーク・ダウ」などとも呼ばれる米国を代表する株価指数。「30種」という名称が示すように、米国経済を代表する30銘柄で構成されている。
とはいえ、投資家はコーポレートガバナンスの要である取締役会の活動には高い関心を持っており、一足飛びに法定の取締役会議事録の開示とまでは行かないまでも、上場企業側から取締役会の活動状況をより積極的に開示する流れは今後益々強まっていくことが予想される。
こうした中、東証は2019年2月21日付でコーポレートガバナンス報告書(以下、CG報告書)の記載要領を改訂し、同年3月決算会社から「取締役会の活動状況(開催頻度、主な検討事項、個々の役員の出席状況等)」の記載が望まれる」旨の記載を追加している(改訂記載要領13ページ参照)。これを受け、一部の企業の間で浮上している疑問がCG報告書の「提出頻度」だ。
例えば毎月取締役会を開催し、何かしら新たな事項について検討しているとすると、厳密に言えば、上記改訂記載要領にいう「取締役会の活動状況」の中の「主な検討事項」に変更が生じていることになる、CG報告書は内容の変更がある都度提出するのが原則となっているが、この原則に従えば、CG報告書は取締役会を開催する都度アップデートしなければならないようにも見える。
この点について東証は、・・・
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