ここ数年で気候変動の影響を体感する人も増えているのではないだろうか。日本における昨夏の酷暑や豪雨災害は記憶に新しい。フランスでは熱波によって今年6月に45.9℃、オーストラリアでは昨年12月(南半球なので日本と夏冬の時期が逆)に49.3℃という最高気温を記録した。一方、アメリカでは大寒波により今年1月にはノースダコタ州で体感温度がマイナス54℃にもなった。
このような極端な気象を引き起こす地球温暖化の主な要因は「人間活動の可能性が極めて高い(95%以上)」とIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル)第5次報告書は結論付づけている。地球の平均気温は産業革命以降、既に約1℃上昇しており、現状のように温室効果ガスの排出が続くと、2100年には平均気温が2.6~4.8℃上昇すると予測されている。
世界中の経営者も気候変動は大きなリスクと捉えており、WEF(World Economic Forum:世界経済フォーラム)が毎年公表するグローバルリスクレポートの2019年版においても、「発生の可能性が高いグローバルリスク」と「影響が大きいグローバルリスク」の上位5位の中に、気候変動に関する課題である「異常気象」「気候変動の緩和や適応への失敗」「自然災害」という3つが含まれている。
同様に機関投資家も気候変動リスクを注視しており、投資先企業に対しては、温室効果ガスの排出削減といったことへの「取り組み」だけでなく、その「情報開示」を求めている。気候変動リスクに関するグローバルスタンダードになりうる開示フレームワーク(枠組み)としては、・・・
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