既報の通り、経済産業省は「ノンコア事業」の切り出しの促進を目指し「事業再編研究会」(以下、研究会)の立ち上げ、本年(2020年)6月末を目途に、今や上場企業の間でコーポレートガバナンス改革の指針として定着しているCGSガイドライン(コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針)などと“並列”の関係に位置付けられる「事業再編に関する実務指針(仮称)」(以下、指針)をとりまとめるべく議論を重ねている(2020年2月4日のニュース『経産省、CGSガイドライン等と“並列”の「事業再編に関する実務指針」取りまとめへ』参照)。研究会では、事業ポートフォリオに関する情報開示の在り方がテーマの一つになっているが(2020年2月6日のニュース『多角化経営に求められる「事業ポートフォリオ開示」の充実』参照)、投資家からは「事業セグメントの括り方」(報告セグメントの開示の在り方)を問題視する声も上がっている(報告セグメントと事業セグメントの違いは【役員会 Good&Bad発言集】セグメント情報の「その他」の解説を参照)。
投資家が事業ポートフォリオについて投資先企業と議論するにあたっては、各事業について、競合他社と比較したり時系列での変化を把握したりできることが必須となるが、投資家からは、一部企業では事業セグメントの「括り方」に問題があるため、事業ポートフォリオの分析が困難といった指摘がなされている。
投資家が抱く不満は大きく二つに分けられる。
一つは、・・・
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