印刷する 印刷する

新型コロナウイルス感染症に言及した記述情報の開示例

新型コロナウイルス感染症の影響により多くの上場企業の先行きに不透明感が漂っている。投資家にとって、投資先企業が具体的にどのような影響を受けるのかは大きな関心事であろう。

既報のとおり、金融庁は2019年1月に開示府令を改正し、2020年3月期の有価証券報告書から(1)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(以下、経営方針等)、(2)事業等のリスク、(3)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(以下、MD&A)といった「記述情報」の記載の充実を求めている(2019年2月22日のニュース「事業等のリスク、取締役会での議論が必須に」や【役員会 Good&Bad発言集】事業等のリスク(2) 参照)。この改正を受け、金融庁は(2020年)3月27日、改正開示府令を踏まえた有価証券報告書の記載内容を審査する際の留意事項をまとめた「令和2年度 法令改正関係審査の留意事項等」を公表したが、そこでは新型コロナウイルス感染症に関する記載については触れられていない。しかし、その影響が重要である場合、記述情報への記載は必須だろう。

MD&A : 「Management’s Discussion and Analysis of Financial Condition and Results of Operations」の略で、「経営陣による財政状態および経営成績の検討と分析」と訳される。有価証券報告書では【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】欄に記載する。

本稿では、2020年3月期の有価証券報告書を作成するにあたり、2019年12月決算会社の開示例を紹介しながら、(1)経営方針等、(2)事業等のリスク、(3)MD&Aの3つの記述情報に新型コロナウイルス感染症の影響を記載する際の留意点を整理する。・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合は
ログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから