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速報 KAMを記載した2020年3月決算企業の社数・属性、KAMの数と内容

周知のとおり、KAM(Key Audit Matters=監査上の主要な検討事項)は2021年3月期の監査報告書から記載されるのが原則だが、早期適用により2020年3月期の監査報告書に記載することもできる。当フォーラムが2020年3月期決算企業の有価証券報告書の監査報告書(2020年6月末提出分まで)を調査したところ、KAMが記載されていた企業数は44社あった。

KAMについておさらいしておくと、KAMとは監査人(監査法人)が監査役等とコミュニケーションをとった事項の中で「財務諸表の監査において特に注意を払った事項」、要するに監査人が実施した監査の内容に関する情報であり、監査人はこれを監査報告書において財務諸表利用者に提供する。監査人は、「特に注意を払った事項」の決定にあたり以下を考慮することになる。

①特別な検討を必要とするリスクが識別された事項、又は重要な虚偽表示のリスクが高いと評価された領域
②見積りの不確実性が高いと識別された会計上の見積りを含む、経営者の重要な判断を伴う財務諸表の領域に関連する監査人の重要な判断
③当年度において発生した重要な事象又は取引が監査に与える影響等

会計上の見積り : 繰延税金資産の回収可能性の判断、減損会計における将来キャッシュ・フローの見積りなど、財務諸表を作成するにあたって必要になる様々な見積りのこと

KAMが記載されていた企業の属性は下表のとおり。

業種 会社数 業種 会社数
銀行業 化学
不動産業 小売業
卸売業 情報・通信業
証券、商品先物取引業 水産・農林業
輸送用機器 石油・石炭製品
電気機器 鉄鋼
非公開 電気・ガス業
その他金融業 非鉄金属
サービス業 保険業
医薬品 陸運業
監査法人 社数
有限責任あずさ監査法人 13
有限責任監査法人トーマツ 12
EY新日本有限責任監査法人 11
PwCあらた有限責任監査法人
太陽有限責任監査法人
その他
会計基準 社数
日本基準 24
IFRS 16
米国基準

業種別では銀行業が最も多く、会計基準別ではIFRSを採用している企業が(全上場企業に占めるIFRS採用企業の割合からすると)目に付く(ちなみに、銀行業6社は日本基準を採用)。KAMとして記載されていた内容は下表のとおり。

(1)連結財務諸表
連結財務諸表において記載されたKAMの総数は・・・

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