コロナ禍の中、多くのESGファンドが相対的に良い投資成績をあげている。これには、リスク回避、セクター効果、ESGファンド自体の拡大など様々な要因が指摘されているが、それ以上に、コロナ禍を通じてESGファンドの視点に明確な変化が生じていることは注目に値する。
ESG : 「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を組み合わせたもので、近年、特にグローバル機関投資家の間で、企業の投資価値を測る評価項目としての地位を確立しつつある。
セクター効果 : セクター(業種)間に生じる価格の不均衡を利用し、そのウエイトを変更することで得られる効果のこと。
これまでのESGファンドでは、環境(E)やコーポレートガバナンス(G)が主役であり、社会(S)は“脇役”に過ぎなかった。しかし、コロナ禍は、企業に顧客との関係性やサプライチェーンのあり方を再考させ、そして何よりも従業員の働き方を問い直す機会となった(2020年8月7日のニュース「コロナ禍・コロナ後のESG投資で注目される領域」参照)。
コロナ禍によって多くの企業がテレワークに移行したが、テレワークと労働生産性の関係についての様々な研究によれば、おおむね今回のコロナ禍におけるテレワークは・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。