今振り返ればコロナ禍の“序章”に過ぎなかった昨年(2020年)5月には、会社法上、株主総会資料のうち一部の資料のみに認められている「WEB開示」の範囲を拡大する法務省令の改正が5月15日から「半年間」限定の時限措置として実施されたところだ(2020年5月12日のニュース「決算・監査期間を約2週間確保、計算書類全てのWEB開示を時限的に容認」参照)。この措置が昨年11月15日をもって失効したことを受け、改めて「令和 3年 9月 30日まで」の時限措置として、昨年5月と同様にWEB開示の範囲を拡大するための改正法務省令が(2021年)1月29日に施行されている(詳細はこちら)。経済界が「恒久化」を要望していたことから、一時新聞報道等では「WEB開示恒久化へ」といった情報が流れていたが、前回同様、今回もあくまで“時限措置”となる(内閣府の規制改革推進会議のワーキング・グループにおいて、法務省が恒久措置化を却下。「第2回 成長戦略ワーキング・グループ 議事次第」参照)。今年9月30日で適用期限が切れた後、再び延長されるかどうかはコロナ次第だろう。
WEB開示 : 株主総会参考書類、事業報告、計算書類関係書類の一部を、WEBで一定期間(株主総会招集通知を発出時から、株主総会の日から3か月が経過する日までの間)開示することで、書面・電磁的方法による株主への提供を不要とする制度。
ただ、WEB開示の範囲拡大措置が再び時限措置となったことに対し、「このDXの時代になぜ恒久化しないのか?」といった疑念を抱く企業も多いはずだ。
これに対し法務省は、・・・
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