改訂コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の全容が今月中にも判明する見通しだ。パブリックコメントに付される「改訂案」は4月中に公表される可能性が高い。今月中にはその“前段階”のものが出てくることが予想される。これをスチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議(以下、フォローアップ会議)に諮り、議論の結果を反映したものが改訂案となる。
最終的に改訂CGコードに盛り込まれることになりそうなのが、以前からコーポレートガバナンス上の論点となってきた取締役会の実効性評価における「外部機関」の活用である。昨年(2020年)12月18日に公表されたフォローアップ会議 意見書(5)「コロナ後の企業の変革に向けた取締役会の機能発揮及び企業の中核人材の多様性の確保」においても、「検討を更に深めていく論点」として以下の記述が見られる(3ページ上部参照)。
・ 取締役会の評価の充実(個々の取締役や法定・任意の委員会を含む自己・ 外部評価の開示の充実等) |
日本のCGコードが手本とした英国CGコードにおいては、取締役会議長の責務として、定期的に外部機関が実施する(externally facilitated)取締役会の評価を受けることを検討するべきだとしている。なお、FTSE350企業については、ここでいう“定期的”とは「少なくとも3年に1度」とされている。今回の日本のCGコード改訂で同様のことが求められるようになる可能性は低くないだろう。
externally : 外部から
facilitated : 促進された
FTSE350 : ロンドン証券取引所に上場する時価総額上位100銘柄で構成される株価指数である「FTSE100」と、FTSE100に次ぎ時価総額が大きい250銘柄で構成される「FTSE250」の両指数の銘柄で構成される株価指数
There should be a formal and rigorous annual evaluation of the performance of the board, its committees, the chair and individual directors. The chair should consider having a regular externally facilitated board evaluation. In FTSE 350 companies this should happen at least every three years. |
現状でも、取締役会の実効性評価において外部機関を活用している上場企業は少なからず見受けられる。ただ、具体的な活用方法は各社によって異なっている。当フォーラムが各社のコーポレートガバナンス報告書(以下、CG報告書)を分析したところ、外部機関の活用方法としては大きく分けて3通りのパターンがあることが分かった。以下、それぞれのパターンについて説明しよう。・・・
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