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改訂CGコード、CEO以外の取締役等にも後継者計画求めるも実効性に課題

従来、「後継者計画」の対象としては基本的に経営トップ(社長、CEO)が想定されていたが、東証によるパブリックコメント(4月7日~5月7日)を経て間もなく確定する改訂コーポレートガバナンス・コードの補充原則4-10①(以下、改訂原則)では、任意の指名委員会の機能の一つとして「後継者計画」が追加されている(下記の赤字の下線部分のカッコ書き)。

補充原則4-10① (赤字が改訂部分)
上場会社が監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合には、経営陣幹部・取締役の指名(後継者計画を含む)・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員とする任意の指名委員会・報酬委員会など、独立した指名委員会・報酬諮問委員会を設置することにより、指名や・報酬などの特に重要な事項に関する検討に当たり、ジェンダー等の多様性やスキルの観点を含め、これらの委員会の独立社外取締役の適切な関与・助言を得るべきである。
特に、プライム市場上場会社は、各委員会の構成員の過半数を独立社外取締役とすることを基本とし、その委員会構成の独立性に関する考え方・権限・役割等を開示すべきである。

「経営陣幹部・取締役の指名(後継者計画を含む)」の部分では、経営陣幹部や取締役にも「後継者計画」を作成することを求めている。改訂原則を読んだだけでは若干分かりにくいが、フォローアップ会議名で(2021年)4月6日に公表された「コーポレートガバナンス・コードと投資家と企業の対話ガイドラインの改訂について」には「・・・指名委員会・・・は、CEOのみならず取締役の指名や後継者計画・・・にも関与することが望ましい・・・」との記述がある(2ページ最下段参照)。スキル・マトリックスなどとともに「1.取締役会の機能発揮」の一部を構成していることを踏まえても、この記述には、取締役会を一つの“チーム”として機能させていくためには、CEOのみならず他の経営陣の後継者計画も必要であるとの趣旨が込められていると言えるだろう。

では、企業としては具体的に何をすればよいのだろうか。実は・・・

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