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適時開示の慣習が変わる可能性

東証は2021年5月18日に『「市場機能強化に向けた検討ワーキンググループ」の設置について』と題するリリースを公表している。ワーキンググループは証券会社、機関投資家、信託銀行、データベンダー、システムベンダーにより構成され、金融庁や日本証券業協会、投資信託協会、地方の各証券取引所もオブザーバーに入っている。リリースによると、このワーキンググループは「市場を巡る環境変化や多様化する投資者のニーズに対応する観点から、中期的な現物市場の機能強化に向けた検討を行う」ために設置され、具体的には下記の項目が検討テーマに挙げられている。

(1)レジリエンス向上:再立ち上げ時間の短縮、障害時のデータ連携効率化
(2)売買制度・機能:気配制度、リスク管理機能
(3)立会時間の延伸:再発防止協議会での議論や海外市場との比較を踏まえ、午後立会終了時刻(午後3時)の後ろ倒しについて、その意義、効果、影響等
(4)大型連休対応:2019年の10連休時の議論やデリバティブの祝日取引導入を踏まえ、大型連休における取引機会の確保について、その意義、効果、影響等

レジリエンス : 回復力

ワーキンググループ設置の背景には、昨年(2020年)10月に東証で発生したシステム障害がある。そのため、システム障害が起きた場合の“回復力”の向上がワーキンググループの最大のテーマとなっている。こうした中で浮上しているのが、「午後立会終了時刻(午後3時)の後ろ倒し」だ。

周知のとおり、東証の取引時間は午前9時〜11時30分、午後12時30分〜15時と合計「5時間」だが、これは世界の主要市場の中で最も短い部類に入る。ロンドンは8時〜16時30分の「8.5時間」、オランダは9時〜17時30分の「8.5時間」、シンガポールは9時〜12時、13時〜17時の「7時間」、ニューヨークは9時30分〜16時の「6.5時間」、韓国は9時〜15時30分の「6.5時間」、香港は9時30分〜12時、13時〜16時の「5.5時間」となっている。「午後立会終了時刻(午後3時)の後ろ倒し」がテーマとなっているのは、「市場が閉まる時間がもう少し遅ければ、システム障害を市場が開いている間に回復させることができたのでは」との意見を受けたものである。

仮に「後ろ倒し」が実現した場合、上場会社への影響として想定されるのが、・・・

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