周知のとおり、2021年6月11日に改訂されたコーポレートガバナンス・コードでは、補充原則3-1②に、プライム市場上場会社に対して英語での情報開示を求める記述が追加されたところ(下表参照)。この改訂の背景にあるのが、英文開示に対する海外投資家のニーズと不満だ。
コーポレートガバナンス・コード補充原則3-1② 上場会社は、自社の株主における海外投資家等の比率も踏まえ、合理的な範囲において、英語での情報の開示・提供を進めるべきである。 特に、プライム市場上場会社は、開示書類のうち必要とされる情報について、英語での開示・提供を行うべきである。 |
海外投資家の中には日本語の開示資料を読むことができるスタッフがいないところも多く、いたとしても十分な数を確保できていないケースがほとんどというのが現状となっている。そのため、英語での情報開示が不足している日本企業の株式はディスカウントして評価されたり、投資のウェイトを減らされたりすることになる。株価がアンダーバリュー(割安)に据え置かれると、アクティビストのターゲットになりかねない。また、英語での情報開示が不足していると、機関投資家は企業との対話を深めることができず、議案を十分に検討できないため、議決権行使助言会社の意見に依存しがちとなる。日本企業が株価を向上させ、議決権行使助言会社の意見に振り回されないようにするためにも、積極的な英文開示は必須と言える。・・・
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