証券アナリストと監査法人はいずれも資本市場を支える重要なプレイヤーだが、個別企業を巡って両者が実務上の接点を持つことはなく、証券アナリストが監査法人の監査報告書を利用するだけの関係に過ぎない。なぜなら、監査法人の方が情報源(企業)により深く入り込み確度の高い情報を得ているものの、監査法人には守秘義務があるため、監査法人から証券アナリストを含む投資家側に対して提供される情報は監査報告書に限定されているからだ。しかも、意見差控や不適正意見でもない限り、証券アナリストを含む投資家側が監査報告書から受け取るメッセージは「財務報告は適正である」という極めて限定的なものであり、平時であれば「当然の前提」として、とり立てて注目されることはない。
意見差控 : 監査人が監査意見を表明しないこと
不適正意見 : 監査人が財務諸表は適正ではないという意見を表明すること
こうした証券アナリストと監査法人の関係を大きく変えることになったのが、・・・
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