企業にとって経営上重要な契約は投資家にとっても重要であることは言うまでもないが、近年、その開示が十分でないことについて投資家側には不満の声がある。そもそも金融商品取引法(開示府令)では下記のとおり有価証券報告書で「経営上の重要な契約」の開示を求めているにもかかわらず、だ。
第二号様式記載上の注意 (33)経営上の重要な契約等(抄) a連結会社において事業の全部若しくは主要な部分の賃貸借又は経営の委任、他人と事業上の損益全部を共通にする契約、技術援助契約その他の経営上の重要な契約を締結している場合には、その概要を記載すること。最近連結会計年度(連結財務諸表を作成していない場合には最近事業年度。以下(33)において同じ。)の開始日から届出書提出日までの間において、これらの契約について重要な変更又は解約があった場合には、その内容を記載すること。 (以下略) |
「経営上の重要な契約」には様々なものが考えられるが、投資家が特に問題視しているのは、投資判断や対話において重要となる「企業・株主間の合意に係る重要な契約」である。なかには、契約の相手方が契約書の内容を開示しているにもかかわらず自社の有価証券報告書では開示していない、または開示内容が明確でない企業が見受けられるとの指摘もある。以下、具体的に見てみよう。・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。