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TCFD開示のレベル

周知のとおり、コーポレートガバナンス・コード補充原則3-1③が求める「TCFDまたは同等の枠組みに基づく開示」はプライム市場上場会社に限定して適用されるものであり、2022年4月4日の新市場区分移行後に開催される最初の株主総会終了後まで猶予されている。しかし、東証が2022年1月26日に公表した「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況(2021年12月末時点)」(以下、東証資料)によると、TOPIX100構成企業のうち76社が「対応済み」、9社が「対応を検討中」である旨開示しており、東証は「先行した取り組みが見られる」と評価している(東証資料11ページ参照)。

TCFD : 主要国の金融当局(中央銀行、金融監督当局、財務省)やIMF(国際通貨基金)、世界銀行、BIS(国際決済銀行)、OECD(経済協力開発機構)などで構成される国際的な金融システムの安定を目的とする組織である金融安定理事会(FSB)が設置した組織。TCFDとは「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略である。TCFDが2017年6月に公表した最終提言は、気候変動リスクに関する情報開示のフレームワーク(枠組み)のグローバルスタンダードになりつつある。

このように、TOPIX100構成企業の約4分の3がTCFD開示に対応済みとなっているが、一口に「対応済」と言っても、対応のレベルは各社によって異なるはずだ。そこで当フォーラムでは、独自にTOPIX100構成企業(2021年11月の銘柄入れ替え時点)のコーポレートガバナンス報告書および参照先の各種開示媒体を調査したところ、以下のことが判明した。・・・

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