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独立役員が実は独立性を満たしていなかった場合の影響

東証は上場会社の企業行動規範において、「経営陣から独立した役員である独立役員を少なくとも1名以上確保する」ことを「上場会社が遵守すべき事項」として定めている(東証有価証券上場規程445条の4)。そして上場会社には、独立役員について記載した独立役員届出書を東証に提出することを義務付けている。ここでいう独立役員とは、一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役または社外監査役を指す。

東証が「一般株主と利益相反の生じるおそれがあると判断する場合」の判断要素(独立性基準)は「上場管理等に関するガイドライン」に定められており、この独立性基準に抵触する者を独立役員として届け出ることはできない。また、コーポレートガバナンス・コードでは、「取締役会は、金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえ、独立社外取締役となる者の独立性をその実質面において担保することに主眼を置いた独立性判断基準を策定・開示すべき」としている(下記の原則4-9)。この原則をコンプライする上場会社は、東証が定める独立性基準だけでなく、自社(グループ)の独立性判断基準にも照らして独立役員を選任する必要がある。

【原則4-9.独立社外取締役の独立性判断基準及び資質】
取締役会は、金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえ、独立社外取締役となる者の独立性をその実質面において担保することに主眼を置いた独立性判断基準を策定・開示すべきである。また、取締役会は、取締役会における率直・活発で建設的な検討への貢献が期待できる人物を独立社外取締役の候補者として選定するよう努めるべきである。

換言すれば、独立役員として選任していた者が実はこれらの基準に抵触していたことが後から発覚すれば、結果として独立性のない者を独立役員と偽っていたことになり、様々な問題を引き起こすこととなる(詳細は後述)。

まさにそれが発覚したのが・・・

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