既報のとおり、金融庁 金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」は2022年6月13日、非財務情報(サステナビリティ、人的資本、多様性、取締役会の機能発揮等)の開示の充実化に向けた提言(ディスクロージャーワーキング・グループ報告)を公表している(2022年5月17日のニュース「男性の育休取得率、女性管理職比率も開示義務化へ 英文開示の義務化は見送り」、2022年6月7日のニュース「DWG報告案、企業の負担増に配慮の跡」、2022年6月15日のニュース『有報での開示が見込まれる「男女間賃金格差」の解消に向けたステップ』ほか、これらの記事において引用されている記事参照)。これを踏まえて、今後、開示府令(企業内容等の開示に関する内閣府令)の改正内容が検討され、早ければ2023年3月期に係る有価証券報告書から改正開示府令が適用される方向だ。
取締役会の機能発揮については、取締役会および指名・報酬委員会等の活動状況の「記載欄」を新たに設けて、各会議体の①「開催頻度」、②「主な検討事項」、③「個々の構成員の出席状況」等の記載が求められる見込みとなっている。これは現行の監査役会等の活動状況の開示と同様の要請であり、また、既に取締役会の開催頻度・出席状況(①③)や報酬委員会の開催頻度・主な検討事項(①②)については一定程度の開示が進んでいるため、一見、さほど対応は難しくないようにも見える。しかし、取締役会と委員会等では、期待される役割も裁量の範囲も大きく異なり、また、会社ごとに機能や位置づけも異なるため、活動状況として開示が期待される内容や程度には大きな違いがあることに留意する必要がある。以下、それぞれについて記載すべき内容を解説する。・・・
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