印刷する 印刷する

男女間賃金格差の開示始まる 他社は“ギャップ”をどう説明した?

女性活躍推進法の改正により、常用労働者数(正規雇用労働者および非正規雇用労働者(派遣労働者を除く))301人以上の企業は男女間賃金格差の開示が義務化され、「2022年7月8日以後最初に終了する事業年度」の実績を、翌事業年度の開始後おおむね3か月以内に公表する必要が生じることとなったところだ(厚生労働省「女性活躍推進法に基づく男女の賃金の差異の情報公表について」4ページ参照)。少なくとも、既に初回の公表期限の目安が到来している2022年7月決算企業、同8月決算企業については、実際の開示例を見ることができる状況となっている。数字を見てみると、男性の水準を100とした場合に、女性の値が100以上という企業もわずかながら見受けられるが、ほとんどの企業では100を下回っており、90、80、70台などが目立ち、50を下回っている企業もある。

正規雇用労働者 : 期間の定めなくフルタイム勤務する労働者
非正規雇用労働者 : パートタイム労働者(1週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者(正規雇用労働者)に比べて短い労働者)および有期雇用労働者(事業主と期間の定めのある労働契約を締結している労働者)

もっとも、男女の処遇差は職種や雇用形態だけでなく、管理職等への登用、勤続年数、労働時間、年齢、パフォーマンス評価など、様々な要因によって生じうる。したがって、男女間賃金格差の指標を他社と比較して「高い」「低い」と一喜一憂するのではなく、経年での自社の改善度をモニタリングしていくべきと言える。その意味では、初回の開示よりも2年目、3年目の開示に向けて、どのような社内施策をいかに効果的に展開できるか、また、社内施策の背景・課題や具体的な取組内容をどのように対外的に説明できるかといった点が重要になってくるだろう。

各社の開示を見てみると、・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合は
ログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから