1月31日に公布された改正開示府令で義務化された人的資本情報が、企業・投資家・コンサルタントそれぞれにおいて“ブーム”になっている。
〇改正開示府令公布後のニュースは下記参照
2023年2月9日「改正開示府令、開示の要求レベルに濃淡」
2023年2月7日「改正開示府令対応におけるリスク」
2023年2月2日『速報・改正開示府令 「サステナビリティに関する考え方及び取組」の開示は早期適用可能に」
人的資本はESGの中で「S」に属することになるが、ESGのうち「E」は定量化しやすいため最も早く開示等が進み、「G」もコーポレートガバナンス・コードをはじめ制度関連の項目が多いため比較的対応、開示がしやすかった。EとGに比べ、Sは項目の特定も、定量化・開示も最も遅れていた分野と言える。Sの中でも企業の中で働く「人」に関する情報は企業の経営行動そのものであり、企業価値評価に直結する情報となり得るだけに、人的資本の開示は資本市場にとって当然歓迎すべきことと言える。
ESG : 「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を組み合わせたもので、近年、特にグローバル機関投資家の間で、企業の投資価値を測る評価項目としての地位を確立している。
ただし、投資家の目線から、ここで二つ警鐘を鳴らしたい。まず、・・・
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