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東証が求める「資本コストや株価を意識した経営の実現」に対応した好事例

東証は2023年3月31日付で公表した上場会社に向けた要請「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」(以下、要請)の冒頭(1ページ目の【背景】)で、従来からコーポレートガバナンス・コードの原則5-2では「資本コストを意識した経営」を求めていることを明示したうえで、それにもかかわらず「プライム市場の約半数、スタンダード市場の約6割の上場会社がROE8%未満、PBR1倍割れと、資本収益性や成長性といった観点で課題がある状況」であることを問題視し、本要請の「積極的な実施」を求めている。東証が冒頭で原則5-2に触れていることを踏まえると、「ROE8%、PBR1倍」という水準をクリアできていない場合には、原則5-2についてエクスプレインが必須とまでは言わないにせよ、コンプライしたとしても任意で何らかの説明は求められよう。

資本コスト : 「資金提供者(債権者+株主)に対するリターン」のこと(なお、株主に対するリターンには、配当のほかキャピタルゲインも含まれる)。資金提供者に対するリターンが適切にできなければ、債権者は会社に資金の返還を求め、株主は株式を売却(=株価が下落する)せざるを得ない。したがって、会社にとって資本コストは「資金提供者に対するリターンの目標値」と言える。
ROE : Return On Equity=株主資本利益率(当期純利益/株主資本)
PBR : Price Book-value Ratio=株価純資産倍率(株価÷1株当たり株主資本)。株価が1株当たり純資産(BPS:Book value Per Share)の何倍まで買われているか(=1株当たり純資産の何倍の値段が付いているか)を指す。PBRが1.0を大幅に下回る場合、投資家が企業の将来性に疑問を持っていたり、減損リスクのように潜在的な資産の含み損が多額にのぼる可能性が株価に織り込まれていたりすることを示唆する。

そこで当フォーラムでは、2023年1~4月に提出されたコーポレートガバナンス報告書のうち、・・・

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