東証プライム市場に上場するエレベータ・エスカレータ等の大手メーカーであるフジテックの昨年の定時株主総会(2022年6月)の際には、香港に拠点を置くアクティビストファンドのOasis Management Company Ltd.(以下、オアシス)による「フジテックを守るために」と題するキャンペーンが奏功し、フジテックの、内山社長(当時)の取締役選任議案を定時株主総会の当日朝に急遽取り下げるという事態となったのは既報のとおり。その後、同社取締役会は内山氏を非取締役の会長に選任したが、この対応に強い不満を抱いたオアシスは「フジテックの社外取締役は責務を果たしていない」として、社外取全員を入れ替えるために臨時株主総会の招集を請求した。結果として選任されたオアシス提案の社外取締役が4名選任され、これに解任されなかった社外取締役のうち1名が共同歩調を取ることとなり、計5名の社外取締役が総勢9名のフジテック取締役会の過半数を占める状況となった(一連の経緯は2022年7月1日のニュース「創業家社長、アクティビストへの対応が後手に回り社長の座を失う」、2022年12月8日のニュース『オアシスがフジテックに総会招集を請求 「責務を果たさない」社外取全員の解任を目指す』、2023年3月30日のニュース「総数9名の取締役会で4名のアクティビスト派が多数決を制した背景」参照)。その後、オアシスの共同歩調に加わらなかった社外取締役1名(元々はフジテック側)が退任し、現在ではフジテック取締役会の総数は8名となっている。
ここまではおおむねオアシスのペースでフジテックのガバナンス改革が進んできたと言えるが、ここにきて内山元会長が反転攻勢を仕掛けている。・・・
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