既報のとおり、東証は2023年3月31日付で公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」および「株主との対話の推進と開示について」を踏まえ、2023年4月版のコーポレートガバナンス報告書の記載要領を改訂し、コーポレートガバナンス・コードのいわゆる開示14原則)のコンプライ状況を記載する「コードの各原則に基づく開示」欄に、今回の要請事項である2つの項目についての記載を求めている(2023年6月13日のニュース『「資本コストや株価を意識した経営」に関する開示に3つのパターン』参照)。
開示14原則 : 原則1-4( 政策保有株式)、 原則1-7( 関連当事者間の取引)、補充原則2-4①(中核人材の登用等における多様性の確保)、原則2-6(企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮)、原則3-1(情報開示の充実)、補充原則3-1③(サステナビリティについての取組み、補充原則4-1①(経営陣に対する委任の範囲)、原則4-9(独立社外取締役の独立性判断基準及び資質)、補充原則4-10①(指名委員会・報酬委員会の権限・役割等)、補充原則4-11①( 取締役会の多様性に関する考え方等)、補充原則4-11② (取締役・監査役の兼任状況)、補充原則4-11③ (取締役会の実効性評価)、補充原則4-14② (取締役・監査役に対するトレーニングの方針)、原則5-1 (株主との建設的な対話に関する方針)
いずれの事項に対しても東証はできる限り速やかな対応を要請しており、2023年4月25日に開催された第10回「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」では、「3月期決算会社の定時株主総会後に提出されるコーポレートガバナンス報告書の内容も踏まえ、今秋を目途に報告・議論を行う」方針が打ち出されている(同会合に提出された資料の1ページ下部参照)。すなわち東証は、3月決算会社が6月総会後に提出するコーポレートガバナンス報告書で、新たな記載要領に基づく開示をすることを期待しているということだ。
そこで当フォーラムでは、3月期決算のプライム市場上場会社すべてのコーポレートガバナンス報告書(2023年7月14日時点)をサンプルに、・・・
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