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インパクト投資の普及に向けGPIFにプレッシャー、企業の開示負担増加のおそれも

猛暑日(一日の最高気温が35 度以上の日)がこうも続くと、否応なしに日常生活の中で気候変動の影響を感じざるを得ない。気候変動のような地球規模の課題に金融の力で対処しようという取り組みがESG投資インパクト投資等の責任投資と言われるものであり、そこでは巨額の資金を有するアセットオーナー(年金基金や保険会社)の投資行動が課題解決に大きな影響力を持つが、いよいよ世界最大のアセットオーナーであるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)にその担い手としての期待が高まってきた。


ESG投資 : 「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」に優れた企業に投資すること。
インパクト投資 : 社会問題・環境問題を解決することを目的として投資すること。

近年、国内外のユニバーサルオーナー(巨額の年金基金等を運用するアセットオーナー)による環境や社会に配慮した投資行動が顕著になっている。例えば、米国最大の公的年金基金であるカルパース(CalPERS=カルフォルニア州職員退職年金基金)は、2006年に国連が提唱した責任投資原則(PRI)(=Principle for Responsible Investment)にいち早く署名し、ESG投資を開始した。カルパースは今年の株主総会で・・・


責任投資原則(PRI) : (国連)PRIとは「(United Nations) Principles for Responsible Investment」の略で、機関投資家に対し、投資判断プロセスにESGを反映することや、投資対象企業にESGに関する情報開示を求めることなどを提唱するESG投資の世界的なプラットフォーム。PRIに署名した機関投資家は、国連に投資の状況を報告する義務が生じるため、ESGを重視した投資を実践せざるを得ない。

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