周知のとおり、日本では、2023年3月期の有価証券報告書からサステナビリティ情報の一部が開示されているが、個別具体的な開示基準は現時点では存在しない。こうした中、日本のサステナビリティ基準委員会(SSBJ)は現在「サステナビリティ開示基準」の策定を進めており、遅くとも2024年3月末には公開草案を公表し、その後同年7月末頃まで意見募集を行ったうえで、2025年3月末までの最終化を予定している。
SSBJ : 日本における非財務開示の基準を作成する団体。IFRS(国際財務報告基準)の母体であるIFRS財団が「国際サステナビリティ基準審議会(ISSB=International Sustainability Standards Board)」を設立し、非財務開示の国際的な基準「サステナビリティ報告基準」を策定することを受け、日本では財務会計基準機構(FASF)が母体となり、IFRS財団におけるISSBに相当するSSBJ(Sustainability Standards Board of Japan)が2022年7月1日に設立された。
一方、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は既に昨年6月にはサステナビリティ関連財務情報の開示基準であるS1基準およびS2基準(以下、国際的なサステナビリティ情報の開示基準)を最終化している。日本のサステナビリティ開示基準が国際的なサステナビリティ情報の開示基準と同水準のものとなった場合、・・・
ISSB : International Sustainability Standards Board(国際サステナビリティ基準審議会)」の略称。資本市場向けのサステナビリティ開示の包括的なグローバル・ベースラインを開発するため、IFRS財団が2021年11月に設立した団体。
S1基準 : 全般的なサステナビリティ関連開示の要求事項を定めたもの。
S2 : 気候関連開示の要求事項を定めたもの。
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