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統合報告のCEOメッセージがつまらない理由とそれを避ける工夫

統合報告の本編の冒頭(イントロダクションの次)には「CEOメッセージ」が入るのが定番となっている。統合報告を開くと最初に目に飛び込んでくるだけに、CEOメッセージは通常その傍に掲載されるCEOの写真とともにまさに統合報告の“顔”と言えよう。「人的資本」の集合体である企業のトップの「人となり」や「想い」が伝わってくるメッセージは、投資家等にとって企業イメージを形成する重要な要素の一つとなる。また、PDF版の統合報告書には、CEOメッセージ中のキーワードをクリックすると該当ページへ飛ぶようにリンクを貼っているものがあり、CEOメッセージが統合報告の中でも特に読んで欲しい箇所に読者を誘導する起点となっている。

このようにCEOメッセージは統合報告の中でも注目度が高いコンテンツであるだけに、数行読んで「つまらない」との印象を抱かせてしまう文章では、統合報告にとどまらず自社に対する投資家等の興味を減退させることになりかねない。CEOメッセージの文章が硬かったり、定型文のような内容の薄いものだったりすると、CEOの「人となり」や「想い」も伝わらない。最初は面白い原稿だったにもかかわらず、事務局が手直しするうちに次第につまらなくなっていくケースもあるだろうが、そもそもCEOが「読ませる工夫」を意識していなければ、事務局の手直しにも限界があろう。また、企業によってはそもそもCEOではなく事務局が作文し、CEOは微修正するだけというところもある。それではCEOの「人となり」や「想い」が伝わるはずがない。

読み応えのあるCEOメッセージが掲げられているとして高い評価を集めているのが、・・・

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