2024年7月23日ニュース「伊藤レポートから10年、今後のコーポレートガバナンスの論点は?」でお伝えしたとおり、経済産業省に設置された「持続的な企業価値向上に関する懇談会」がとりまとめた「座長としての中間報告」では、取締役会の実効性を高めるための施策として「筆頭独立社外取締役」の選定が改めて取り上げられている。
また、社外取締役に期待される役割が高まるにつれ、社外取締役が経営陣や株主等との対話を行う必要性が増す。このため、社外取締役の中から、単なる調整役としてではなく、様々な対話の中心として、主導的な役割・責任を果たす社外取締役を「筆頭独立社外取締役」等として選定しておくことが効果的であり、「筆頭独立社外取締役」をはじめとする社外取締役の役割・責任を定義しておくことが重要との意見もあった。 |
コーポレートガバナンス・コード(補充原則4-8②)では、筆頭独立社外取締役とは社内外の役員間で「連絡・調整」「連携」を図る者とされている。
コーポレートガバナンス・コード補充原則4-8② 独立社外取締役は、例えば、互選により「筆頭独立社外取締役」を決定することなどにより、経営陣との連絡・調整や監査役または監査役会との連携に係る体制整備を図るべきである。 |
これに加えて、コーポレートガバナンス・コードの附属文書である「投資家と企業の対話ガイドライン」では、株主との「面談の対応者」としての役割が課されている。
投資家と企業の対話ガイドライン4-4-1 株主との面談の対応者について、株主の希望と面談の主な関心事項に対応できるよう、例えば、「筆頭独立社外取締役」の設置など、適切に取組みを行っているか。 |
では、そもそも筆頭独立社外取締役の選任状況はどうなっているのだろうか。補充原則4-8②をコンプライしているか否かは開示対象ではないため、当フォーラムではTOPIX100構成銘柄のうち独自の「コーポレートガバナンス基本原則」「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を策定・開示している企業を対象に、「筆頭独立社外取締役」に関する規定を置いているかどうかを調査した。その結果、・・・
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