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社外取締役に関する情報開示への機関投資家の要望

インテグリタス 代表
古木謙太郎

近年、上場企業の取締役会における社外取締役比率の着実な上昇を背景に、機関投資家の関心は社外取締役の「量」から「質」へと移っている。コーポレートガバナンス・コード【原則4−7】は、社外取締役の役割・責務として、企業価値向上に向けた助言、経営の監督、利益相反の監督、少数株主を含むステークホルダーの意見の取締役会への反映を挙げている(下記参照)。社外取締役がこれらの役割を果たすことはもちろん、企業には社外取締役の貢献を株主・機関投資家など資本市場のステークホルダーに正しく伝えることが期待されている。

【原則4-7.独立社外取締役の役割・責務】
上場会社は、独立社外取締役には、特に以下の役割・責務を果たすことが期待されることに留意しつつ、その有効な活用を図るべきである。
(ⅰ)経営の方針や経営改善について、自らの知見に基づき、会社の持続的な成長を促し中長期的な企業価値の向上を図る、との観点からの助言を行うこと
(ⅱ)経営陣幹部の選解任その他の取締役会の重要な意思決定を通じ、経営の監督を行うこと
(iii)会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反を監督すること
(iv) 経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させること

しかし、社外取締役の貢献に関する情報開示については、実際に運用業務に携わる機関投資家のポートフォリオ・マネジャーやアナリストからの評判は必ずしも芳しくない。筆者が彼らとの対話を通じて把握した機関投資家の要望は、以下の3点に集約される。・・・

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