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ビッグデータ有効活用の鍵を握る「人の力」

 最近の上場企業の中期経営計画を見ると、「ビッグデータの活用による潜在的な顧客ニーズの掘り起こし」といった記載が目に付く。

 実際、ビッグデータの活用は急速に進んでいる。インターネット上ではユーザーの行動パターンが解析され、ターゲットを絞った広告や消費者の属性別のクーポンなどが効果的に提供される。米国の医療業界では、ここ数年、フェイスブックやツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上にある個人の医療情報を収集して販売するデータ・マイニング会社が急増している。その数は優に千社を超えるという。あるデータ・マイニング会社は数千万人について病状ごとにリスト化された医療情報を保有しており、これを製薬会社などに提供している。その取引規模は70億ドルに上るという調査結果もある。製薬会社はこの医療情報に基づき、各人の病状に応じた薬を勧めたり、症例が少ない特殊な疾患の患者を探し出して治療研究に役立てたりしている(ただし、こうした利用方法について個人情報保護の観点から問題視する声もある)。また、消費者の購入履歴の解析による潜在的なニーズの把握は、小売業界や金融業界などにとって極めて有用であり、今後もその普及が進むのは間違いないだろう。

データ・マイニング : 巨大なデータの集まりの中から有用な情報を抽出すること。

 ただ、ビッグデータから導き出される情報は・・・

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