日本では間もなく3月決算会社の株主総会シーズンが始まるが、それに先立ち、4月後半から始まったイギリスの株主総会では、複数企業の役員報酬に関する決議に対し、多数の株主から反対票が投じられている。例えば石油大手のBPでは株主の約11%が同社の役員報酬に関する決議に反対票を投じ、大手金融機関のHSBCに至っては、実に約1/3もの株主が同じく同社の役員報酬決議に反対票を投じている。
その背景の1つにあるのが、役員報酬の高額化だ。リーマンショック後には減少していたイギリス企業における役員報酬は近年再び増加している。これは数字でも裏付けられており、大企業トップの報酬と一般的な従業員の給与の格差は、2000年の「47倍」から昨年は「120倍」にまで拡大している。
株主の不満は、金額自体の高さに限らず、金額の正当性にも向かっている。業績は平凡であるにもかかわらず役員報酬が増加する例など、報酬と業績が連動していないケースに対する株主の批判は強い。
こうした批判の背景には、そもそも・・・
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